著名な陶芸家、五代目清水六兵衛の孫にあたる陶芸家 清水久の長男として生まれる。
数百年にもおよぶ名陶の家に産まれ育つものの、大人になるまで陶芸には興味があまりなかったらしく
学生時代は現在も趣味として仲間と楽しんでいる、サッカーに日々明け暮れていたそうです。
清水さんが陶芸家を志したのは、大人になってから。
インテリアや建築の分野が好きだったことから、建築、美術を学ぶ大学に進学
将来はその道に進もうと漠然と考えておられたようですが、物作りを学んでいく過程の中で
陶芸の魅力に惹かれるようになっていかれました。
陶芸がその他の物作りと比べて異なることは
ゼロから製作の工程すべてを一人でこなすことが出来ること。
例えば、建築であれば設計、施工等様々なパートを分業して
施主さんの要望を実現するために作り上げていくように、現在多くの物作りは分業の上に成り立っています。
陶器は色々と作り方がありますが
最初の工程となる、陶器の材料となる土や釉薬を自ら作り、成型し、焼成、完成に至るまで
すべて一人で作り上げることの出来る陶芸の仕事に魅力を感じられたこと。
また、大量生産品や再現可能な物ではなく、再現不可能な物、手仕事ならではの美しい物を作れる物が
陶器であり、この分野を突き詰めたいとの想いから、陶芸家になることを決意されます。
それまで、陶芸のことにはほとんど関与したことがなかったので
陶芸家の父に、陶芸家に成りたいと打ち明けた時は、とても恥ずかしい思いをされたとか。
大学卒業後、父の勧めで陶芸の学校へ進学、2年間で基礎を学んだ後、その作品に強烈に魅力を感じた陶芸家の先生に弟子入り。
弟子入りした3年間の修業時代に、仕事や人ととの接し方、物作りの考え方を教わり、現在のベースを築きあげていかれました。
陶芸家として独立後当初は仕事がなく、自分自身が何を作りたいのかも答えが中々見つからず、苦悶の日々を過ごされたそうですが
知人や友人からの仕事の依頼、初めて開いた個展で興味を持って頂いた方から、仕事を頂いたりと
徐々に陶芸家としての足場を固めていかれ、2011年には清水焼の窯元が集まる清水焼団地にてギャラリー「トキノハ」をオープン。
清水さんの妻であり、陶芸家の清水 友恵さんとともに次々に新しい作品を生み出されています。
Style
清水さんの作品には二つの個性があります。
ひとつは、清水さんが生涯をかけて突き詰める自然な美、歪みの美、修正を加えることなく
ひとつの作品に想いを込めて作り上げた独特の美しさを持つ器。
もうひとつは普段使いに焦点をあて「トキノハ」ブランドとして展開するアイテム。
扱い易さにこだわり、整然と作り上げた器は
まるで工業品と見間違うほどの綺麗な形で作られています。
■tablinをご覧になった方へのメッセージ
うつわを手に持って触れて欲しい
土の温かみ、繊細な質感をきっと心地良く感じて頂けると思います
陶芸家紹介 清水大介さん
Posted in: 陶芸家
– 2012/03/24